Story
製造部鋳造課 錫チーム
床仁熙
入社当時から錫製品の鋳造を主に任されており、
その中でも能作の代表的な製品の「KAGO」シリーズや
錫の花器で人気の「HOOP」は自分が鋳造しています。
KAGOシリーズやHOOPは、繊細なラインのデザインで、
形を自由に変えられるのが特長の製品です。
線が細いと、溶かした錫を鋳型に流し込んだ際、
上下の型の間に僅かなバリが多くできてしまいます。
それを彫刻刀で一つひとつ丁寧に取り除いていきます。
輪っかが連なったデザインのHOOPは、少しの力で歪んでしまうため、
彫刻刀を当てるのにも非常に繊細な力加減が必要なのです。
鋳物づくりは外気温や湿度などにも影響されやすいので、
前回きれいに鋳造できたとしても次が必ず同じようにできるということはないのが、
長年鋳造をやっていて一番難しいところです。
常に同じクオリティーで安定して仕上げるために、「今回はどうだろう」と
探りながら鋳造するのが、難しいからこそ楽しいところでもあり、
いつも次に向かってチャレンジしている気持ちです。
入社当時に比べると、ある程度技術も向上し、鋳造から仕上げまで
一連の作業スピードが上がったと思いますが、今でも苦手な製品はいくつかあり、
常にチャレンジだと思って日々励んでいます。
製造部鋳造課 錫チーム
床仁熙
憧れの伝統工芸への道
一目惚れから能作の門をたたく