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職人の想い【第21回】

職人の想い【第21回】

Story

使ってくれるその人を
思い描いて

製造部錫製造課

志浦健治

作業風景

 

入社以来、鋳物場で生型鋳造の
鋳型づくりなどの経験を積みました。
現在は仕上場で錫製品の研磨などの
仕上げ作業に携わっています。
以前は鋳物のほとんどを
生型鋳造により製造していました。
鋳型づくりは職人の手作業によるため、
一つひとつの鋳物の形状に個体差があり、
当時は仕上げに苦労することもありました。
現在では、製品の特長に合わせて
新しい鋳造法を開発するなど、
日々改良を重ねていくことで、
鋳物の品質を一定に保てるように
努力しています。

 

鋳物一つひとつの微妙な肉厚の違いなどは、
鋳物の状態を目で見て、
手で持ったときの他との
僅かな違いなどを肌で感じ取り、
一点一点確認しながら
丁寧に仕上げを施していきます。

 

作業風景

 

「使って喜ばれるものを作り続けたい。」
製品の品質は、すべて鋳物の良し悪しで
決まるといっても過言ではありません。
「良い鋳物」が出来上がれば
仕上げも良くなる。
鋳造したときの質が仕上げに大きく影響する
ということを長年の経験から実感しています。

 

今は昔に比べると鋳型の改良や
仕上げ方法の改善など、
生産効率が上がり量産しやすくなりました。
そんななか、何千何万個と鋳物を
仕上げていても、自分はこの1個を使う
お客様1人のために作っているのだという意識を
常にもって仕事をしています。
能作の酒器は錫100%でやわらかく、
使うたびに手に馴染んでいくので、
自分だけの酒器に育てて
楽しんでもらいたいです。

 

職人の想い【第21回】

製造部錫製造課
志浦健治

型づくりから鋳造、仕上げまで
能作の鋳物を知り尽くした熟練職人

Favorite

職人のお気に入り

<富士山 FUJIYAMA>

 

富士山は、能作の錫製酒器の中でも
初期に発売された製品です。
当時、ぐい呑みの内側にも
立体的なデザインが
施されているものはめずらしく、
とても斬新だったように思います。

 

お酒を飲むときは底面に
小さな富士山を眺めることができ、
使わないときはぐい呑みを
逆さにして置けば、
大きな富士山の姿を
楽しむことができます。
この楽しいデザインが気に入っています。

富士山 FUJIYAMA

富士山 FUJIYAMA

錫    金箔  

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