職人の想い【第3回】

職人の写真

Story

自分にしかできないことを
見つけた感覚

仕上課 課長

釣賀 康平

作業風景

今年の4月より仕上課の課長として、
錫製品・真鍮製品の仕上げ工程全般を
管理しています。
仕上げ作業としては、主に錫製品の酒器類の
仕上げに携わっています。

錫鋳物は気温や湿度等が変わることで
鋳造後の仕上がりが安定せず、
同じ鋳物でも条件がその都度異なり、
それぞれの条件下でも決められた基準まで
美しく仕上げることに、
自分自身仕上げの面白味を感じています。

能作の錫100%の製品は、
やわらかく粘り気があり、
仕上げの際には繊細な力加減が必要とされます。
飲み口部分のバリ取りは、
仕上げ工程の中でも一番難しい作業です。
錫はやわらかいことから、
バリを削ると反対側に返しバリができ、
多方向からの研磨が必要になるのです。

また、溶かした錫を鋳型に流し込んだ時に
できてしまう「湯じわ」や
湯まわり不良などを良品基準に満たすために
手を施すのは、やはり技術が必要です。
どうしたらより良く仕上げられるかを考え、
今までの経験から導き出しています。
その難題をクリアできたときには、
自分にしかできないことを
見つけた感覚になるのです。

作業風景2

電気器具の修理や設置を生業とする
父の姿を見て育った私は、
小さい頃から作業服を着て
工具を扱っている様子が
「仕事」だと感じていました。

父の仕事とは異なりますが、
私のものづくりの仕事に対する原点は、
やはり父の姿からなのだと思います。

職人の写真

仕上課 課長
釣賀 康平

すべての基準が一定の大型機械のプログラミングから
繊細な錫鋳物の世界へ

Favorite

職人のお気に入り

<Kuzushi - Yure - 大>

能作に入社してから、
錫製品の仕上げ作業に携わり、
初めて形状を整えたアイテムです。

仕上げ作業の最初の段階として、
まず製品についた余分なバリや、
溶かした金属が流れる湯道、
製品に流れ込む入口の堰部分の切除などを
主におこないます。
その後技術と経験を積んだ上で、
製品の表面が滑らかになるよう
バフ研磨により
形状を整える作業に
就くことができるのです。

今では酒器を中心とした錫製品の
仕上げ全般を担っていますが、
初めて形状の仕上げに
携わったアイテムとして、
能作の中でも特に
思い入れが強い製品です。

商品画像:Kuzushi - Yure - 大

Kuzushi - Yure - 大

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