【錫とお酒のおいしい関係 Vol.1】
古来より、「錫の器に入れた水は腐らない」、「お酒の雑味が抜けてまろやかになる」などといわれ、酒器や茶器などに用いられてきた錫。錫とお酒の楽しみ方についてご紹介いたします!
お酒に合わせて酒器を選ぶ
お酒の中でも日本人に馴染みが深い日本酒。
ひとくちに日本酒といっても、いろんな種類がありますね。
日本酒を一層楽しむには、まずは、自分の好みに合うお酒を見つけて、さらにそのお酒に合う器を選びましょう。
日本酒の4分類
日本酒は、舌で感じる味わいだけでなく、香りも重要な要素。そのため、味わいや香りの特徴から「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」という大まかに4タイプに分類することができます。
お酒の種類に合わせて、酒器を選ぶと一層そのお酒の特徴が感じられますよ。
分類 | 特徴 | 相性の良い酒器の形状 |
薫酒(くんしゅ): 香り高いタイプ |
・果実や花のような華やかな香り(吟醸香) ・爽やかでフルーティーな味わい ・甘い風味のものから辛口まで ・主に吟醸酒・純米大吟醸酒など ・10℃前後の冷酒 |
・ラッパ型やワイングラス型 ・飲み口が薄手のもの |
爽酒(そうしゅ): 軽快でなめらかなタイプ |
・新鮮で清涼感がある香り ・なめらかでみずみずしい味わい ・淡麗で食事に合わせやすい ・主に普通酒・本醸造酒・生酒など ・5~10℃の冷酒(※熱燗に向くタイプもあり) |
・スタンダードなぐい呑やおちょこの形
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醇酒(じゅんしゅ): コク・旨みのアルタイプ |
・米や穀物のふくよかな味と香り ・充実した旨みとコク ・主に純米酒・生酛・山廃仕込みなど ・15~20℃の冷酒から常温 ・40~55℃の燗酒 |
・飲み口が広がった形状 |
熟酒(じゅくしゅ): 熟成タイプ |
・濃厚で複雑な味と香り ・トロリとした甘味や深い酸味・旨み ・ドライフルーツやスパイスのような香り ・主に長期塾清酒・古酒など ・15~25℃、または35℃前後(ぬる燗) |
・香りがこもるブランデーグラス型 ・ふくらみがあり、口が閉じた形状 |
日本酒×酒器×料理の美味しいマリアージュがきっと見つかるはずです。
※日本酒サービス研究会・酒匠研究会(SSI)が提唱する「香味特性別4タイプ分類」を基に調査しました。
https://ssi-w.com/
ADVISER : 山上弘茂人さん
金沢市尾山町「日本酒バル 金澤酒趣」店主。
一級酒造技能士、清酒専門評価者、唎酒師、ソムリエ、SAKE DIPLOMA。
酒蔵「菊姫」で26年間に渡って酒マイスターとして酒造り・品質管理に携わった日本酒の専門家。